『「私」の国分一太郎研究』は、国分一太郎の生きた時代とその思想の研究であると同時に、「私」自身の自己史でもある。

豊島作文の会 4月例会の報告(2012年)

豊島作文の会 4月例会の報告(2012年)

第468回 4月例会 ~2011年度活動報告並びに反省~

                         2012年4月28日(土) 

 2011年度活動報告 
                              担当:工藤  哲

◎4/9(土) 458回
◆片桐     『10年度まとめと反省』
◆榎本(豊)    『11年度方針と計画』
◆鈴木     『名簿作成』
◆榎本(典)    『会計報告』 
◆参加:片桐、伊藤、土屋、工藤、鈴木、榎本(典)、榎本(豊)(7名)

◎5/4(土) 459回
◆田中定幸さん  講演『「作文の授業」~その考え方・進め方』
◆今と未来を生きる子どもたちに、たしかで豊かな文章表現力をつけていくためには、どのようにしていったらいいのか。楽しく、ためになるお話を聞かせてくださった。               
◆参加:伊藤、榎本(豊)、片桐、鈴木、寺木、桐山、工藤  (7名)

◎6/4(土) 460回
◆榎本豊さん 『19年間発行し続けた「はじける芽」の作品分析』
◆19年間発行し続けた「はじける芽」の作品を使いながら、作文指導の進め方、指導のコツや気をつけるべきことなど、具体的に教示。『はじける芽』(合本)は、作文指導のための、優れた教科書になっていくことだろう。
◆参加:伊藤、榎本(豊)、工藤、片桐、鈴木、土屋、野田(練馬)、大田(8名) 

◎7/23(土)~24(日)
◆第7回国分一太郎「教育」と「文学」研究会

◆国分一太郎生誕100年記念の集い(山形県東根市)に参加。

◆参加:桐山、榎本(典)、榎本(豊)、工藤

◎7/29(金)~31(日)
◆第7回国分一太郎「教育」と「文学」研究会
(国分一太郎生誕100年記念の集い、山形県東根市)
◆ 参加:桐山、榎本(典)、榎本(豊)、工藤
◆第60回全国作文教育研究大会(東京都)
◆参加:桐山、片桐、伊藤、榎本(豊)、榎本(典)、鈴木、大田、土屋 (8名)

◎9/3(土) 461回
◆伊藤早苗さん 『詩を書こう』(6年)
◆詩の4条件と書き出しのいろいろ等、詩の指導をしていく時や、読み合いをする時に役に立つ作品の見方が提起された。
◆参加:桐山、片桐、伊藤、土屋、富山、榎本(豊)、榎本(典)、工藤 (8名)

◎10/1(土) 462回
◆榎本典子さん 『書かない、書けない子どもたちへの文章表現指導』(4年)
◆「教育とは、螺旋階段を上るようなもの?それとも、スイッチバックしながら坂を上っていくようなもの?」今の先生たちのご苦労が身にしみます。己が心を励まし励まし書かせ続けていく中で見えてくる子どものすがた。しかし、闘いは、まだまだ続く。

◆参加:伊藤、片桐、富山、土屋、太田、工藤、榎本(豊)、榎本(典)、桐山、田中、鈴木   (11名)

◎11/19(土) 463回
◆第4回国分一太郎「教育」と「文学」研究会・学習会

◆参加:伊藤、榎本(典)、鈴木、榎本(豊)、片桐、工藤
(6名)

◎12/10(土) 464回
◆工藤 哲   2011年版『東京の子』(第37集)を読む
◆参加:伊藤、片桐、工藤、榎本(豊)、土屋、榎本(典)、富山(7名)

◎1/7(土) 465回
◆ 桐山久吉さん 『民間教育運動に育てられて』
◆初めて赴任した板橋の志村第六小。桐山先生は、誰も通らない道を『作文と教育』読みながら、毎日、通勤していきます。そして、ある朝、「談話室」の中に、『せんせい』という詩を見出します。その詩は、桐山先生にとって運命の詩でした。(こんな先生を目指していこう。)そう先生は決心します。

◆参加:桐山、富山、伊藤、工藤、田中、榎本(豊)、榎本(典)
鈴木、上四元、那須、今井 (11名)

◎2/11(土) 466回
◆鈴木 由紀さん 『詩を書こう~詩心を見つけ、詩心を
育てる~』(3年)
◆桐山先生が、参考のためにと、巽聖歌の論文をマスプリし
てきて、由紀さんをバックアップ。由紀さんの詩の指導の実践、
今後も、さらに続いて参ります!
◆桐山、片桐、伊藤、田中(定)、富山、榎本(典)、鈴木、
榎本(豊)(8名)

◎3/10(土) 467回
◆片桐弘子さん 『街の公民館に児童詩の教室がある』~第16回 詩のひろば を終えて~
◆16年の重みのある「詩のひろば」の実践報告。子どもたち
と片桐さんで、大奮闘してできあがった、ステキな作品をいくつも紹介していただきました。
◆参加:片桐、工藤、伊藤、榎本(豊)、土屋、桐山、田中、富山、佐藤(板橋作文の会)、鈴木、榎本(典)(11名) 


2011年度 豊島作文の会 反省(案) 
                              担当:片桐 弘子

豊島作文の会独自の会 8回。 合同 2回(巡回講演、国分一太郎研究会)。

◇7月は中止(こぶし忌、全国大会があり、日程取れず)。

◇詩の実践  3、    散文指導  2、    講演  3
 作品研究  1、    方針と計画 1

◇ほぼ予定通り行われた。内容はよかったが、現役の実践者が少なくなってしまった。 

◇参加者は、7~10名と安定しているが、若い人が少なく、参加しても来てもらえない。

◇報告者も若い人がほしい。

◇作文全国大会でのレポート  榎本典子さん、鈴木由紀さん。

◇桐山さんの語りは、作文教育史、教育史とも言える内容で、若い人たちに聴いてもらいたかった。

◇「東京の子」作品研究は、今年度版を読むのみでなく、「作品の良さとは…」まで踏み込んで過去の作品を例に上げ、作品の見方が学べた。

◇例会案内、例会報告、榎本さん、工藤さん、ごくろうさまでした。

◇会場の用意、池袋小の伊藤さん、6年生担任で忙しい中、ありがとうございました。

◇2時始まりの例会は30分ほど遅れて始まることが多かった。遅れないよう努力したい。

◇田中定幸さん、6回参加。会のバックアップをしてくださった。

◇約1時間、近況報告となる。(レポーター 1時間半)。

2012年度 豊島作文の会 方針並びに年間計画[案)

                                   担当:榎本 豊

はじめに

政権交代したが
政治というものが、こんなにも国民から飽きられ、興味も薄れてきている時代も今までになかった。その大きな要因は、自民党を倒して国民の大きな期待を担って政権についた民主党のていたらくからである。公約違反もここまで来ると、お笑いの世界になってしまう。今 1 番しなくてはならないことは、消費税の値上げなどではない。日本列島を震擁した「福島原発事故」の後始末である。 国民の7割前後は、原発を廃止して新たなエネルギーの開発を望んでいる。しかし、原発の再稼働に向けて既成事実を次から次に積み重ねている。

 残念なことに、マスコミのほとんどが、はっきりと反原発を唱えていないことである。記者クラブ制度に縛られた大手のマスコミ各社の記事は、似たり寄ったりである。テレビの報道もそれなりに努力している面もわずかにわかるが、肝心なことは伝わってこない。原子力発電が稼働しなかったら、本当に電力不足になるという信用の出来る資料が、我々に提示されてこない。「計画停電」「夏のピークが電力不足」と言う大ざっぱなことのみが、伝わってくるだけである。

 国民が大きな閉塞感に陥っている。既成政党が、何の力もなく、お互いを攻撃し合っている。そんな折に、大阪の維新の会の橋下が、その不満のはけ口をうまくさらおうとしている。マスコミもそれを取り上げるから、なおさら関心が広がってしまう。 小泉の郵政民営化選挙の時のマスコミの動きと似ている。「民営化」という耳ざわりの良い言葉にだまされて、国民の多くが選挙に出かけた。あのとき、「派遣社員」労働法も通った。企業は、正社員でなく「派遣社員」の方がいつでも首を切れるので都合が良い。「痛みを伴う」のは、自分ではないと考えて、多くの若者が投票をした。その結果が現在である。年収200万以下で暮らしている人々が、1200万人以上いると伝えている。

 石原都知事がアメリカに行き、星条旗と日の丸をバックに「尖閣列島を東京都が買い取る」と言明した。この動きも、国民の不満を上手に持っていこうとしている。だいたい、石原は都民の税金を勝手にそんなことに払う権利などない。

 東京の教育現場は 
 団塊の世代が次々に定年退職し、教育現場は、イエスマンばかりのロボット人間が、上からの命令に忠実に従って、日夜勤務時間も関係なく働き続けている。校長権限が強まり、管理職に異議など唱える教師はほとんどいなくなりつつある。みんなで話し合う民主的な職場は、数えるほどであろう。上から縦の命令系統ですべてのことが下りてくる。

 昨年の方針案でも引用させてもらったが、日教組教育研究会の全国教研の記念講演で、私の小中学校時代の同級生神野直彦さんが、『希望を生み出す教育を』と、我々教育現場に携わる人々に訴えた。

 『最初に結論だけお話ししておきます。私も余命幾ばくもないのですが、私が歩いてきて人生の中で、「真実」だと思われることが一つだけあります。わたしたちは、時代の大転換期に来ておりますが、その時に、人聞が圧倒的力を発揮しなければなりません。その時は、人聞がお互いに疑いあっているときではなく、お互いが信じ合っているときであり、憎しみあっているときでなく、お互いが愛し合っているときに、大きな力となると言うことを、私の人生の中で知りえた真実です。』

 一人一人の教師が、教室の子ども達を大切にする。同じように、学校経営者の校長が、職場で働く職員を大切にしながら民主的に運営することが、昔からの学校現場の理想、であった。団塊の教師が新卒で、現場に採用された頃は、東京のどこの学校にもそのような教師がたくさんいた。学校ぐるみ、みんなで考え合い作り上げていた。モンスター保護者などどこにもいなかった。むしろ、若い教師は、保護者の人たちに大事に育てられた時代であった。もちろん「学級崩壊」などと言う言葉も生まれていなかった。そのような芽が出てきたときには、みんなで支え合って、解決しようと努力していた。

入学式・卒業式は旧態依然 
 「ぼくには『常識』がない?」 ( 朝日新聞朝刊「論壇時評」2012/04/26) で、高橋源一郎がご自分の長男の小学校入学式に 1 年前参加しての感想を書いている。校長先生が舞台中央の演壇に向かって深くお辞儀をした。最初は、「はて?」と思って、よく見ると左奥に日の丸の旗がある。誰に向かって、何のためにお辞儀をしているんだろう。まるでわからない。やがて「国歌斉唱」の番になり、ますます憂鬱になり、誰がこんなやり方を決めたんだろうと、半月前の保育園の卒園式に感動したこととの違いに思いを寄せる。「小学校の入学式は、たぶん、キョウイクイインカイとかそれを指導しているエラい人のための式なんだ。現場の先生に任せたら、もっと嬉しいものになったのになあ。」と嘆く。

 家に帰り、「入学式 jのことを調べてみる。外国と比べ日本の「入学式」が「常識」ではなかったと気づく。ランドセルがもともと「軍隊」とともに輸入された背嚢が起源だし、日本で最初に運動会をやったのは、海軍兵学校だった。「入学式」って、実は「入隊式」なんじゃないかな。と締めくくっている。

 この記事を読みながら、久しぶりに痛快な気持ちになった。同時に高橋源一郎さんが、これから5年間学ぶ小学校へ良くも書いてくれたなとその勇気に敬服した。どこの小学校であるかは知らないが、このような形の入学式は、日本中どこでも行われている。

 かって心ある教師は、「君が代」を歌うかどうかも悩みながら参加していた。「君が代」を「国歌」に法的に決めるときに、「内心の自由」「思想信条の自由」を大切にし て、最終的には、「教育現場に影響を与えない」(野中広務官房長官)が答弁を重ねたが、「指導要領」の拘束などによって、教師は縛られて処分をされている。

 かつて君が代・日の丸を職員会議で話題にしたときには、「戦前は、戦争に利用された苦い歴史があった。」と戦争体験教師が言っていたことを覚えている。「教え子を再び戦場に送るな」が、戦後教師の合い言葉であった。歴史的に見ても、スポーツ (体育・運動会) は、国民のまとまりに大いに貢献した。

 ヒットラーは、ベルリンオリンピックで国威発揚に利用した。それまでになかった勝者には、国旗国歌を意識させるように仕向けた。やがて 三国同盟をくみ、第2次世界大戦に突入していった。連合国に負けたドイツ・イタリアは、戦後国旗も国歌も変えて、新しい出発をしている。日本も戦後10年は、GHQ(連合国)の元で、日の丸も君が代も教育現場では、禁止されていた。それが1958年指導要領改訂で、道徳教育の復活と学校行事、儀式などで国旗掲揚、君が代斉唱が望ましいと記載され、それまで試案だったものが、「拘束性」が強調された。それが、大阪の維新の会のもとでの君が代を斉唱することを徹底させるために、教師の唇まで確かめるようなことまで起きている。最高裁の判決も処分そのものが厳しすぎるという見解で、「職務命令」そのものには違法性はなしとしている。今、司法のあり方そのものが間われている。検察庁の閉塞性が明らかになりつつある。今回の小津判決は、負けたのは法廷にはいなかったが検察組織である。 (東京新聞・朝刊・「筆洗」2012.4.27)

文章を表現することは、今こそ大切に
 学校現場だけでなく、社会に出てからも文章を書きとめることがいかに大切かと言うことが強調されている。ヤクルトが優勝するまでのいきさつを野村克也監督が答えていた。選手とミーティングなどをするときは必ずメモをとらせた。今、活躍しているプロのサッカーや野球の選手などが、日記などを克明に記録している。書くことによって、反省し
次へのステップに活かしている。

 何もプロでなくても、記録することが脳の活性化にいかに大切かと教えてくれている。小学校の段階では、柔らかな脳にますます大事な方法である。しかも、自分一人でなく、クラス全体が読み合い (鑑賞) によって、☆生活態度・姿勢 (認識のし方・操作) ○常へいぜいの生活のしぶり ○その時々の体や心の動かし方・行動と☆表現の方法・技術
○文章の組み立て方。●こまかい書きつづり方。を育てることが出来る。

豊島作文の会は、今年度も今まで以上に、下記の目標を大切にして歩いていく。

1. 目標

*子供たちが、自然や人間や社会に自ら積極的に関わり、現実をしっかりとらえることができるようにします。
*こどもたちが自分の表現したいことを、正しく豊かな日本語を使って、書き表すことが出来るようにします。

2. 具体目標

(1)誰もが、何でも言い合えるクラスの一員として、自覚できるクラスを目指します。(学級集団作り)

(2)こどもたちが、生活の中から、値打ちある題材を選び出す力をつけます。(題材論)

(3)日記指導を大切にしながら、生活のしぶり、書きぶりの良さを赤ペンで認めながら、書く意欲を伸ばしていきます。(自主的作文指導)

(4)指導題目を学期に1回程度は立てて、「指導計画」を大切にしながら、「ひとまとまりの文章」を綴らせます。(意図的・計画的作文指導)

(5)「ある日型」の1回限りの出来事を、ていねいに書かせます。同時に、高学年は、「いつも型」のたび重なる出来事を説明するような文章に挑戦させます。

(6)詩を書かせることを大切にしながら、その実践を提案します。

(7)作品研究をし、値打ちある作品を読みあいます。(「日本児童・生徒子ども年刊文詩集」「東京の子」)

(8)作文教育の指導理論を学習していきま。(「作文と教育 J など。)

(9)全国大会や東京大会や国分一太郎研究会 (山形と東京) に積極的に参加していきます。本年度は、日本作文の会の全国大会が岡山で行われます。新しい会員を増やすチャンスでもあるので、力を入れます。

(10)若い人が、職場に増えてきているので、作文教育の大切さを訴えていきます。この会にも、積極的に誘うようにします。

2012年度豊島作文の会活動計画定例の会を基本的には、第(  )土曜日。土曜授業開始の区は、第3土曜日が多いのではないか。


★決定となった方針と年間計画に関しては、こちら(『えのさんの綴方日記』をご覧ください。

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